一人暮らし女性が老後に後悔しないお金の使い方

〜守るだけじゃもったいない〜

一人暮らしの老後を考えるとき、
どうしても「お金が足りるか、足りないか」という悩みから始まります。

今まで、その不安に向き合うために、
「まずは生活費を」「もしもの備えを」と、
日々の生活を守ることに精一杯だったのではないでしょうか。

「私の人生、この先にどんな楽しみがあるんだろう」

もし、これからの人生が「守ること」だけになってしまったら、
「あの時、迷わずにやっておけばよかった」
そんな気持ちになるかもしれません。

この記事では、
これまで整理してきた生活費やもしも費を土台にしながら、
老後のお金を「どう使うか」「どこまで使っていいのか」を、
次の3つの視点で整理していきます。

・生活費・もしも費の「その先」として考える、お金の置きどころ
・50代から、やりたいことに優先順位をつけていく考え方
・後悔しないお金の使い方の例

今すぐ答えを出す必要はありません。
ただ、これからの人生にどんな時間を残したいのか。
そのヒントを、ここから受け取ってもらえたらと思います。

目次

老後に後悔する人が多いのは、なぜなのか

「もっと旅行に行けばよかった」
「友人と過ごす時間を、もっと大切にすればよかった」
「やりたかった趣味を、始めるべきだった」

老後を迎えた人たちから、
こうした声をよく聞きます。
なぜ、このような後悔が生まれるのでしょうか。

将来への不安があったからこそ、
多くの人は、まず生活を守ることを選んできました。
それは、とても自然な判断です。
生活を守ることを優先してきたからこそ、
今の生活が成り立っています。

ただその結果、
自分が何を楽しみにしているのか、
何に時間を使いたいのかを考える余裕を持たないまま、
ここまできてしまったのかもしれません。

後悔が生まれるとしたら、
「これから何を楽しむか」を考える時間が、
後回しになってきたこと。
そこに理由があるのかもしれません。

だからこそ、今ここで、
「これからどう生きたいか」という視点を
少しだけ取り戻してみませんか。

老後のお金は「貯めること」より「使い方」で価値が決まる

今までは、「お金さえあれば安心」と思って、
必死に働き、節約し、貯金してきました。

一人で生きていく以上、
そう考えざるを得なかった場面も多かったと思います。

ただ、実際に老後を迎えた60代のAさんは、
こう振り返っていました。

「通帳の金額が増えるたびに、
安心していたつもりでした。
でも『何が楽しかったか』と聞かれると、
言葉に詰まったんです」

豪華な海外旅行の思い出を辿っても、
心に残っているのは高級ホテルの部屋ではなく、
道に迷って友人と困り果てた時間でした。

ようやくホテルを探しあて、
慌てておもてなしのお茶を飲み干したそのスピードの速さを、
今でも思い出すと笑ってしまうそうです。

老後のお金は、
いくら貯めたかだけで価値が決まるものではなく、
これからどう使われていくかによって、
意味が変わっていきます。

そんな視点から、
これからのお金の使い方を整理していきましょう。


後悔しないための「お金の3つの分け方」

これまで、老後に備えるために、
「使わない」「減らさない」ことを優先してきた人も多いと思います。

その積み重ねがあるからこそ、
いざ使おうとしたときに迷いが生まれるのは、自然なことです。

「旅行に行きたいけれど、老後資金が減るのが怖い」
「友人と食事したいけれど、本当に使っていいのか不安」

こんな迷いを感じたことはありませんか。

老後のお金をすべて一括りにして考えていると、
「これは使っていいのか、いけないのか」の判断がつかず、
結果的に何も使えないまま、時間だけが過ぎてしまいます。

そこで、
お金を3つの使い道に分けて整理してみましょう。

この分け方を理解することで、
「今、何に使っていいのか」が見えてきます。

生活基準値(生活を守るお金)

最低限、自分らしく生活を続けるために必要なお金が、生活基準値です。

たとえば、
・家賃や光熱費
・食費や日用品
・通信費や交通費

といった、毎日の生活に欠かせない支出がここにあたります。

これまで整理してきた生活費の考え方は、
すべてこの「生活基準値」を把握するためのものです。

まずは、無理なく続けられる最低限はいくらかを知ること。
それが、お金の不安に振り回されにくくなる土台になります。

もしも費(不安に備えるお金)

医療や介護など、
起こるかどうか分からない出来事に備えるためのお金です。

一人暮らしでは、判断を誰かに委ねることができない分、
あらかじめ予備費の上限を決めて、確保しておくことが大切になります。

もしも費の範囲がはっきりしていれば、
「これは使っていいのか」と迷う場面が減り、
ゆとり費を安心して使える状態をつくることができます。

ゆとり費(人生を楽しむためのお金)

生活を守り、もしもへの備えを整えたうえで、
これからの人生をどう過ごすかのためのお金です。

旅行、趣味、人との時間など、
自分が大切にしたいことに使うための費用が、ゆとり費にあたります。

このお金は、
「残ったら使うもの」ではなく、
あらかじめ使うことを想定して考えていくお金です。

生活基準値ともしも費を分けて考えてきたからこそ、
ゆとり費を、心から楽しむことができるのです。

50代から始める「後悔しないお金の使い方」

ここまで、
生活を守るためのお金、
もしもに備えるためのお金を整理してきました。

不安を減らすための準備には、
もう十分に向き合ってきたはずです。

だからこそ、ここからは少し視点を変えて、
「これからの人生に、どんな時間を増やしていきたいか」
を考えてみませんか。

お金の整理ができた今だからこそ、
「何に使いたいか」
「どう使えば後悔しないか」を、
安心して考えられるようになります。

ここからは、
後悔しないお金の使い方を、
3つの視点から考えていきます。

生活費・もしも費の「その先」として考える、お金の置きどころ

生活費ともしも費を整理していくと、
それ以外のお金について「これは何に使おう?」
と考えたことはありませんか。

これまでのお金の考え方は、
「減らさないように守るもの」でした。

ここからは、
そのお金を「何のために使うか」という視点で
考えてみましょう。

生活や備えとは役割の違うお金。
それが「ゆとり費」です。

このゆとり費を、
どう使っていくかを考えることが、
後悔しない老後をつくる第一歩になります。

50代から、やりたいことに優先順位をつけていく考え方

やりたいことは、
思いついたときにすぐ実行できるとは限りません。

「退職したら旅行に行こう」
「もう少し余裕ができたら、趣味を始めよう」

そう思っているうちに、
体力や気力が変わり、
一緒に行きたかった友人の予定が合わなくなる。

そんなことは、珍しくありません。

だからこそ、
「いつか」ではなく、
「今の自分にとって無理がないか」という視点で
やりたいことを見直してみましょう。

優先順位をつけるのは、
急ぐためではありません。
後回しにし続けないための整理です。

後悔しないためのお金の使い方の例

「後悔しないお金の使い方」と言われても、
すぐには思い浮かばないかもしれません。

でも、こんな話を聞けば、イメージできるかもしれません。

例えば、60代のBさんは、
毎月1万円を「楽しみ費」として確保しています。

・月に一度の友人とのランチ
・好きなカフェでのひとり時間
・年に一度の小旅行の積立

些細に見えることでも、
自分が心から楽しめるなら、
それで十分です。

幸せは、意外に身近なところにあります。

だから大切なのは、
自分の気持ちに正直になることです。

他人と比較するのではなく、
自分にとって心から喜べることが、
後悔しないお金の使い方につながっていきます。

まとめ:老後のお金は、「どう生きたいか」を決める選択肢

老後のお金といえば、
「足りるか、足りないか」。
多くの人が、そこだけを考えてきました。

生活を守るお金、もしもに備えるお金。
それだけあれば十分だと思っていた人も多いかもしれません。
でも、それだけでは足りません。

老後にはもうひとつ、大切なお金があります。
それが、人生を楽しむための「ゆとり費」です。

ここまで読んでくださった今、
もう一度、自分のこれからに目を向けてみてください。

どんな時間を過ごしたいですか。
何に時間を使いたいですか。

その答えが、
あなたのこれからのお金の使い方を教えてくれます。

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この記事を書いた人

看護師歴30年。現在は在宅でWebライター・ブロガーとして活動中✍️
医療・お金・働き方など、50代からの“私らしい生き方”を応援しています。

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