「看護師の人間関係、本当にドロドロしているの?」―派閥、暴言、お局…耐えるしかないと思って、毎日消耗していませんか。
私は34年間、ひとつの総合病院で看護師を続けてきました。いくつもの病棟を異動し、人がぶつかり合う現場も、人間関係に救われた場所も、両方経験してきました。
この記事では、現場で見てきた「派閥・暴言・お局」のリアル、ドロドロが生まれる本当の原因、そして「我慢する」以外の選べる道までを書いていきます。
読み終わる頃には、「ドロドロは職場次第」と思えるはずです。
合わない場所で耐え続ける必要はないんです。長年現場にいた私が「選ぶのは結局自分しかいない」と言える理由を最後までお伝えします。
34年看護師をしてきた立場から、本音をお話ししますね。
看護師の人間関係は本当にドロドロしているのか

ドロドロした人間関係は、実際にあります。ただし、全ての病棟ではないんです。
「あの病棟は派閥でピリピリしている」「隣の病棟は和気あいあい」。同じ病院の中でも、こんなことが普通に起こります。私は34年間、ひとつの総合病院で看護師を続けてきましたが、配属が変わるたびに「人間関係」の景色がまったく違うのを身をもって体験してきました。
つまり、押さえてほしいのは2つです。
- ドロドロは、実際にあります(派閥・暴言・お局)
- でも、すべての病棟ではないんです(部署差・個人差が大きい)
次の項では、34年で実際に見てきたドロドロの中身を、そのまま書いていきます。
派閥・暴言・お局―看護師の人間関係のリアル

看護師の人間関係を「忙しいから」「シフト制(夜勤・日勤が交替する不規則な勤務)だから」「女性が多いから」と説明する記事はたくさんあります。間違いではないものの、現場のリアルとは少しズレています。
派閥はある
「この人について行く・あの人について行く」。A派とB派が、本当に明確に分かれます。
お昼休みを誰と取るか、業務のルールを決める時に誰の意見に賛同するか、飲み会で誰の隣に座るか。一つひとつの行動で、どちら側にいるかが周りから見えてきます。新人が入ってきたら、どちらの派閥が「取り込むか」の駆け引きが始まることもあります。
「私はどっちにも属さない」と思っていても、周りからはどちらかに分類されている。これが現場の感覚です。
暴言もある
数十年前ですが、今も鮮明に覚えている言葉が2つあります。
ひとつは、年下の後輩が、別の後輩を指導している場面で言い放った一言。「なんで看護師になったの」と、相手の選んだ仕事そのものを否定する言葉でした。
もうひとつは、同期から私に向けられた言葉。医師の指示確認をして報告した後、「子供のお使いじゃないんだから」と、半人前扱いするように詰められたことがあります。
ひとつは「看護師という仕事の選び方そのもの」を、もうひとつは「看護師としての力量」を否定する形で投げかけられた言葉です。本人は指導しているつもりだったのかもしれません。でも、相手の人格や存在価値まで踏み込んでくる重みがありました。
数十年経っても忘れない。それだけ深く刺さる、ということです。
お局もいる
「お局」と呼ばれる存在は、本当にいます。
経験年数が長く、病棟内で発言力があり、自分の気に入らない人にきつく当たる人。新人が「この人に嫌われたら終わる」と緊張する相手。
ただ、お局自身も実は不安定だったりします。これは後の項で書きます。
派閥や暴言で「もう無理かも」と感じている方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
ドロドロの原因は「忙しさ」より「人」

看護師の人間関係を語る時、よく言われるのが「忙しいから余裕がない」「シフト制で連携が取りにくい」「女性社会だから」という説明です。
たしかに、その要素はあります。命を預かる現場で、一日中走り回って、夜勤明けでも仕事がなかなか終わらず、帰る頃にはクタクタ。心の余裕は、たしかに削られていきます。
ただ、34年見てきて思うのは、原因の本質は「忙しさ」より「人」だということです。
同じくらい忙しい病棟でも、雰囲気にはっきり差が出ます。
雰囲気の良い病棟は、ピリピリと張り詰める時もあれば、合間にちゃんと笑い声も聞こえます。メリハリがあるんです。背景には、仲間意識や「みんなで乗り越えよう」というチームワークがあります。
逆に、空気がずっと冷えたままで、笑い声が少ない病棟もあります。同じ職種・同じ業務内容。それでも、雰囲気はまったく違うんです。
何が違うのか。
私が感じてきた、人間関係を左右する3つの要素
- リーダー層(師長・主任)の人柄:トップが感情で動くと、現場全体が感情で動きます
- 「お局的存在」が一人いるかどうか:その人がいないだけで、空気が全然違います
- 新人を「守る側」がいるか「叩く側」がいるか:守る人が一人いれば、新人は折れません
✅ こんな職場は「人が空気を作っている」
- 師長・主任が感情で動く
- 「お局」と呼ばれる人が一人いる
- 新人を叩く側が多数派
つまり、ドロドロの正体は「数人の特定の人」がつくる空気であって、看護師という職業そのものではないんです。
「看護師だから人間関係が無理」ではなく「今いる場所の人たちが合わない」だけ。場所が変われば、人も変わります。
人間関係に救われた病棟もある―ドロドロは病棟次第

ドロドロの話を続けてきましたが、実は私、わりと恵まれた部署で働けたなと思っているんです。
ドロドロの話を続けてきましたが、34年振り返ってみて、私自身は実はわりと人間関係に恵まれた部署で働けたな、と思っています。中でも特に「ここは良かった」と覚えている病棟が、3つあります。
新設棟の立ち上げ:仲間意識が強い職場
新人時代の最初の配属は、ちょうど病棟を新しく立ち上げるタイミングでした。
「みんなでこの職場を盛り上げよう」という空気が自然にあって、分からないことは聞き合える。新人だった私には、覚えること一つひとつが楽しい時期でもありました。0から立ち上げる場には、派閥もお局もまだ存在しない。仲間意識だけがありました。
ICUの後半:怖い人が異動し、空気が一変
次のICUは、正直、最初の5年は地獄でした。でも、その後ががらりと変わったんです。
怖い先輩たちが他病棟へ異動になったタイミングで、空気が一変しました。ちょうどその頃、私自身も技術が身についてきて、上の立ち位置になっていった頃です。新しい師長は、ちゃんと現場を評価してくれる方でした。頼られると、モチベーションが上がります。
その頃、病床数が増えてスタッフが新しくどんどん入ってきました。「自分たちが指導されて嫌だったことは、絶対にしたくない」。そういう思いが強くて、後輩には「分からないのが当たり前だから、聞けばいいのよ」と関わるようにしていました。
救急病床の立ち上げ:前向きなスタッフばかりの病棟
異動先で、次は救急病床の立ち上げをやりました。もともと内科病棟だったので、外科のことは全員ゼロからのスタートです。
ここのスタッフは、人の悪口を言う人がいない、本当にいいメンバーばかりでした。仕事に対してのプライドがあって、前向きで明るい。「これどうするんですか」と素直に聞いて、必死に学ぶ姿勢のある子たちです。
ある時期、他の病棟のスタッフからも「あそこは行きたい」「雰囲気がいい」と評判が伝わってくるほどでした。看護師同士のあいだでは、こういう「あの病棟いいよね」という噂が自然と回ります。
「人」が入れ替わった途端、評判が真逆に
その同じ病棟が、ある日を境に「行きたくない病棟」として噂されるようになりました。
きっかけは、怖い先輩たちが続々と異動してきたこと。仕事内容も、給料も、設備も、何ひとつ変わっていません。変わったのは「人」だけです。
「行きたい」から「行きたくない」へ。同じ病棟が、噂のレベルで真逆に変わる。これを身をもって体験して、改めて思います。
❓ 無理なのは「看護師という仕事」ですか?それとも「今の職場の人たち」ですか?
ここを分けて考えるだけで、選択肢の見え方が変わります。仕事自体は嫌いじゃないなら、辞める前に「場所を変える」という道があります。同じ看護師でも、病院を変える・部署を変える・働き方を変える、いろんな選び方があるんです。
ドロドロの中で潰れるのは優しい看護師―辞めるのは「逃げ」ではない

これも34年見てきて、確信していることです。
ドロドロした病棟で、最初に潰れていくのは、優しい人です。
生真面目で勉強熱心な後輩が、救急で潰された
同じ職場に、こんな後輩がいました。
何をするにも生真面目で、勉強熱心で、ただ不器用なところがある子でした。本人が「救急系の看護をやりたい」と希望して、救急の部署に異動したんです。
しばらくして「どう?」と聞くと、「ちょっと雰囲気になじめなくて」と。詳しく聞くと、「仕事が遅い」「できない」と言われていたようでした。
救急という場所には、独特の空気があります。ちょうど自分が仕事をできるようになってきた30歳前半くらいの子たちが、新しく入ってきた人を目の敵にしたり、馬鹿にしたりする。そういう構図がありました。
結局その後輩は、その雰囲気に耐えられず辞めていきました。
辞めた先で元気にしている
ここから先が、私が一番伝えたいところです。
辞めた後の彼女は、ちゃんと元気にしています。今どんな仕事をしているかは知りませんが、少なくとも、追い詰められた表情は、もう見せていません。
合わない場所で、自分を削ってまで耐え続ける必要はないんです。「辞める」=「負け」じゃなく、「合わない場所から離れる」=「自分を守る選択」です。
優しい人・生真面目な人は、限界が来た時に「自分が悪いんじゃないか」と背負い込みがちです。「私が我慢できないだけ」「私が弱いだけ」と。
違います。
患者さんに丁寧に向き合う優しさ、勉強を怠らない真面目さ。これは看護師として何より大事なものです。それが活きない場所があるなら、活きる場所を探す方がよほど健全です。
私自身、34年勤めて最後はめまいで休職しました。「無遅刻無欠席」を誇りにしていた私でも、体が先に限界を伝えてきました。同じことを、優しいあなたが繰り返す必要はないんです。
「辞めるのは逃げじゃない」と本音で書いた記事もあります。
昔と今で、看護師の人間関係は変わった

もう一つ知っておいてほしいのは、昔の看護師現場と、今の現場は、確実に違うということです。
私が新人だった頃は、暴言も体罰まがいの指導も、当たり前にありました。「看護師は3年勤めて一人前」と言われ、その3年は耐えるものだという空気がありました。お局に逆らえる人はいませんでした。
でも、今は違います。
- パワハラ・モラハラに対する社会の目が厳しくなった(病院側も無視できなくなった)
- 若い看護師は「合わない職場は辞めていい」と知っている(情報がネットにある)
- 転職サイトや派遣という選択肢が一般化した(人材紹介市場が成熟)
- 看護師は売り手市場(人手不足で、職場側が選ばれる側になりつつある)
つまり、昔のように「我慢しないと生きていけない」時代ではなくなっているんです。
これは50代の私たちにも、もちろん当てはまります。「この年で転職なんて」と思っていた頃の常識は、もう過去のものです。50代どころか60代でも、看護師として働ける職場はあります。働き方を変える選択肢も、昔より圧倒的に多くなりました。
ドロドロを我慢する以外の道はある

最後に強く言いたいのは、「今の職場で我慢する」以外の道は、必ずあるということです。
ドロドロした人間関係に何年も耐えるよりも、一度、外の景色を見てみる方が、ずっと健全です。情報を集めるだけなら、お金もリスクもかかりません。
私が「もっと早く知っておけば」と思うのは、転職サイトを使うという選択肢でした。求人を見るだけ・話を聞くだけでも、「あ、今の職場が全てじゃないんだ」と気持ちが軽くなります。
50代の看護師にも対応した、相談に乗ってくれる転職サイトがあります。
「辞める」と決めなくていいんです。「今の場所がすべてじゃない」と知るだけで、明日からの気持ちが変わります。
よくある質問
Q. 看護師の人間関係はどの職場もドロドロしているのですか?
すべての職場がドロドロしているわけじゃないんです。同じ病院の中でも、病棟ごとに空気は大きく違います。「数人の特定の人」が空気をつくるため、人が入れ替わるだけで雰囲気が一変することもあります。
Q. 人間関係が辛くて辞めたいのは「逃げ」ですか?
逃げじゃないんです。合わない環境にしがみついて自分を壊すより、合う場所を探す方がずっと健全です。優しい人・生真面目な人ほど「自分が悪い」と背負い込みがちですが、それは間違いです。
Q. 50代から転職して大丈夫ですか?
看護師は売り手市場で、50代でも60代でも働ける職場はあります。昔のように「この年で転職なんて」というのは、もう過去のものなんです。働き方の選択肢(病院・施設・訪問・派遣・パート)も増えています。
Q. 転職サイトはいきなり使っていいですか?
「辞める」と決めなくても大丈夫です。求人を見る・話を聞くだけでも、「今の職場が全てじゃない」と気持ちが軽くなります。情報を集めるだけなら、お金もリスクもかかりません。
まとめ:人間関係のドロドロはあるが、選び方は自分の手の中にある
✅ 我慢以外の選択肢、まずは情報を集めるだけでも
- 転職サイトで求人を見る(登録だけでもOK)
- 同じ病院の別部署の空気を聞く
- 看護師仲間の転職体験談を読む
我慢するのは、もうやめてください。
同じ道を、あなたに歩んでほしくない。それだけなんです。
34年現場にいた私は、これまでに何人もの「潰れていく後輩」を見てきました。優しくて、真面目で、いい看護師ほど、合わない場所で自分を削っていったんです。
同じ道を、あなたに歩んでほしくないんです。
自分の人生、後悔しないで。楽しく、自由に生きてほしいんです。
「ここしかない」と思い込まずに、まずは外の景色を見てみてください。情報を集めるだけでも、明日からの気持ちは変わります。
この記事を書いた人:kyandilife運営 Yasuko
34年間、ひとつの総合病院で看護師(ICU・救急含む)として働き、無遅刻無欠勤で勤めあげました。突然のめまいで休職をきっかけに退職を決意。現在はブログ kyandilife.com を運営し、同じ50代の看護師の方々に「我慢する以外の道もある」を伝えています。

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