看護師のお局がきついって本当?34年で見た6タイプの実態と対処法

看護師のお局がきつい。

あの人と同じ勤務だと分かるだけで、気が重くなる。今日は何を言われるだろう、機嫌はどうだろう。仕事そのものより、お局の様子をうかがうことで頭がいっぱいになってしまう。

そんな毎日を過ごしていませんか。

私は病床740床・看護師1000人の総合病院で34年働きました。
振り返ると、どの病棟にも、お局と呼ばれる人が必ず一人か二人はいました。

それでも私は、現場を離れませんでした。
戦ったわけでも、ひたすら我慢したわけでもなく、お局との「距離の取り方」を覚えただけです。

この記事を読み終わる頃には、次のことがわかります。

  • あなたの職場のお局が「どの6タイプ」か見分けられる
  • 現場で見つけた、本当に効いた距離の取り方
  • 限界の手前で踏みとどまる方法と、どうしてもなら転職という選択肢

目次

きついお局ほど、実は仕事ができる|34年で見た6タイプ

看護師のお局6タイプ(休憩仕切り型・派閥型・陰口LINE型・無視型・弱者ターゲット型・働かない型)の図解

あの先輩、なんであんなにきついんだろう。
そう感じる相手は、たいてい「お局」と呼ばれる人です。

お局とは、その病棟に長くいて、強い影響力を持つ先輩のこと。経験があり、立場も上。だからこそ、その人がきついと、後輩は逃げ場がなくなります。

34年見てきて、はっきり分かりました。きついお局ほど、たいてい仕事ができました。

要領がよくて、頭の回転も速い。だからこそ「なんで、このくらいのこともできないの」と、できない人を見下してしまう。仕事ができるからこそ、お局になっていく。これが現場のリアルでした。

そんなお局も、よく見ると6つのタイプに分かれます。

休憩仕切り型(仮眠ボスタイプ)

何より、自分の休憩時間を優先するタイプ。

夜勤では、仮眠を長く取りたい。だから部下にも「早く仕事を切り上げて」という無言の圧をかけてきます。入ったばかりの私はそれに気づかず、ただ目の前の仕事に必死でした。ある日「これはまずい」と気づいてからは、何より「お局を待たせないこと」を優先するようになりました。

帰り際も気がぬけません。お局が早く帰りたい人だと、こちらも一緒に急ぐしかない。先輩を待たせるわけにはいかないので、着替えも全力。毎日が、ちょっとした段取り勝負でした。

派閥・好き嫌い型

仕事の効率ではなく、「好き嫌い」で人を配置したがるタイプ。

「あの人と昼休憩は一緒にしないで」と空気で伝えてくる。
リーダーをやっていた私が、なぜこんな気遣いをしないといけないのか、と何度も思いました。

患者さんのことを一番に考えないといけないのに、なぜ看護師同士の機嫌取りに時間を使うのか。
理不尽です。でも、合わせないと睨まれる。だから合わせるしかありませんでした。

陰口・LINE悪口型

休憩室にいながら、目の前の同僚のLINEで悪口を回すタイプ。

話せばいいのに、面と向かって言えないからLINE。
ひくしかありません。

電話を取ったあと「あの子誰?」と陰で聞く。
本人には何も注意せず、いい年なのに師長にチクる。

私はこの人より年上だったので、直接の標的にはなりませんでした。
でも後輩たちは、めちゃくちゃビビっていました。

露骨な無視型

申し送りの時間、明らかに聞いていないタイプ。

特に「仕事ができない子」の情報なんかは聞かず、自分の仕事を続けています。
後輩は必死に話しているのに、顔も向けない。

でも伝えないと、患者さんに支障が出る。
だから後輩は、顔色を伺いながら必死で伝える側になります。

もちろん、仲がいい人にはしません。
そちらには愛想良く笑って会話する。
「相手によって態度を変える」のがこのタイプの特徴です。

弱者ターゲット型

仕事が遅い子、要領が悪い子だけを集中攻撃するタイプ。

言葉が悪いのは承知で書きますが、「鈍臭い子」ばかりが目をつけられます。お局に言い返してこない、弱い立場の相手だけを狙う。それが、このタイプの共通点です。

お局かどうか以前に、人間としてどうなんだろう、とは思います。
でも病院の中では、ずっと「先輩」のままなんです。

働かない・最低限型

6タイプ目は、意外と見落とされます。

何もせず、どんと座っているタイプ。
最低限の仕事はします。でも、本当に最低限。仕事が雑なぶん、たしかに早い。けれど、空いた時間に何かするかというと、座っている。

年齢を重ねているぶん、若い人も何も言えません。
派手に攻撃してくるわけではないので、「お局」と気づきにくい。でも、しわ寄せは必ず周りに来ます。これも、立派なお局の一つです。

思い当たる顔が、浮かびましたか。
その重たさを毎日抱えているなら、ほんとうに、おつかれさまです。

お局の本当の怖さは「仕事の内容を選ばれること」

この6タイプの中で、私がいちばん怖いと感じるのは、攻撃の言葉そのものより「仕事の内容を選ばれること」です。

34年で何人もお局を見てきましたが、今でも顔が浮かぶのは、いちばん最初に出会った人です。影響力が強く、言葉がきつい。ひと言ひと言が鋭くて、人を寄せ付けませんでした。言っていることは正論なのかもしれませんが、近づけない。ただ、反面とても優しい一面もある人でした。

その人は「あんな汚い仕事、やりたくない」と露骨に口にしました。すると周りは、自然とその人にその仕事を振らないよう動きます。当ててしまえば「なんで私がこんなことを」と文句を言われるからです。

これがどれだけ現場を歪めるか。私がいたICUは、患者さん一人に看護師が一人つく職場でした。重症の方も、軽症の方もいる。赤ちゃんも、大人もいる。体力勝負の患者さんも、汚い仕事もある。見れば、どの担当が大変かはすぐ分かります。

リーダーを任されたとき、私はどうしたか。必然的に、安全策を取りました。あのお局には、負担の軽い患者さんを回す。波風を立てないために。

公平に割り振りたくても、お局が一人いるだけで、それができなくなる。これが、お局のいちばん怖いところです。

私自身は直接の標的にはなりませんでした。でも、ほかの人が追いつめられていく姿は、何度も見てきました。あの人がいたから、私は「お局とどう距離を取るか」を、最初に学んだのだと思います。

6タイプに共通すること

どのタイプにも、共通点があります。
お局は、相手を選んでいる。強い人には何もしません。弱い人、言い返せない人を選ぶ。

では、こういうお局たちと、どうつきあえばいいのか。


お局とは戦わない|合わせるのが、いちばん消耗しない

お局とは戦わない|34年戦わずに乗り切れた理由の図解

私は、お局とは戦いませんでした。34年働いて、これが私なりの答えでした。

看護師は、一人では仕事ができません。チームで動く以上、お局を敵に回せば、業務が回らなくなる。結局、しんどい思いをするのは自分です。

だから私は、お局には合わせてきました。敵を作らず、仕事に集中する。それが現場で生き延びる、いちばん現実的な方法でした。

もちろん、これが唯一の正解とは限りません。正義感の強い人なら、声を上げる、おかしいことはおかしいと言う、こんな理不尽は許せないと職場を去る―それも立派なひとつの選択です。ただ私は、戦うより、自分の消耗を減らす道を選びました。

心の中では、ずっと理不尽だと思っていた

合わせるといっても、納得していたわけじゃないんです。

「患者さんを一番に考えないといけないのに、なぜ看護師の機嫌まで取らないといけないの」。何度も、そう思いました。

でも、年功序列の世界では、下の立場の人間が声を上げても通りません。割に合わないと分かっていても、飲み込むしかなかったんです。

「人は変わらない」と気づいてから、楽になった

転機は、ある日ふっと肩の力が抜けたことでした。悟りの境地、と言ってもいいかもしれません。

お局を変えようとするのを、やめたんです。人の性格は変わらない。変えようとするから、こちらが消耗する。そう気づいてから、ずいぶん楽になりました。

それでも、ひとつだけ決めていたこと

ただ「合わせる」だけだと、我慢しているのと同じです。私には、ひとつ決めていたことがありました。

「自分が上に立ったら、いじめられている子を守る」

今は下だから、合わせる。でも、いつか自分がベテランになったら、いじめる側ではなく、守る側に立つ。そう決めていたから、つらい毎日にも、意味を見いだせました。

「合わせる」の裏で、こたえていたこと

「合わせる」は、口で言うほど簡単じゃないんです。

一番こたえたのは、一人の看護師として、対等に扱ってもらえないことでした。こちらが必死に伝えても、聞いているのか、いないのか。「はあ」と気のない返事。話し合いにすらなりません。

面と向かって叱られるなら、まだいいんです。その場で終わりますから。きついのは、無視されること、陰で言われること。何を言われているのか分からないまま、空気で察するしかない。あの見えない圧力が、いちばんこたえました。

無言の圧を感じるから、汚れ仕事は自分から引き受けました。「やります、手が空いてますので」と。今振り返れば、そんなことばかりだったな、と思います。

合わせるのは、負けたからじゃないんです。
自分をすり減らさないために選んだ、私なりのやり方でした。


お局から自分を守る3つの距離の取り方

看護師がお局から自分を守る3つの距離の取り方の図解

「戦わない」の次は、具体的な距離の取り方です。
私が34年で実際にやっていたのは、3つだけでした。

ボスには合わせて、内心は割り切る

業務上は笑顔で挨拶、必要な会話だけ。
お局の歩調に合わせ、休憩や退勤の時間も無理に逆らわない。
内心は割り切って、相手の機嫌を背負わない。

これだけで、毎日の消耗が半分になります。

気持ちを、心に溜めこまない(これがいちばん大事)

私が34年乗り切れた、いちばんの理由はこれです。気持ちを、心に溜めこまなかったこと。

私の場合は、職場の友人でした。仕事の後、その日の出来事を話して、笑って、切り替える。同じ現場の友人だからこそ、状況が分かっていて話が早い。溜めこまずに外へ出す。それが何より大事だと思います。

家族に話を聞いてもらうのも、いいと思います。気をつけたいのは一つだけ。家族に「当たらない」こと。話を聞いてもらうのと、八つ当たりは違います。何も言わず、ただ機嫌が悪いまま家にいる―それが、いちばん家庭をぎすぎすさせます。

逃がし方は、人それぞれでいいんです。友人でも、家族に聞いてもらうのでも、趣味でも。大事なのは、その日の重たい気持ちを、その日のうちにどこかへ流すことです。

ためこまないこと。
これができると、心の軽さが、ずいぶん変わりますよ。

仕事で評価される側に立つ

3つ目は時間がかかる方法ですが、効果は大きいです。

お局より仕事ができるようになると、攻撃される隙が減ります。
年齢を重ねれば自然に立場が変わることもあります。
私が3人目(陰口・LINE型)の標的にならなかったのは、ただ単にその人より年上になっていたから、というのもあります。

「仕事の評価を上げる」は地味ですが、お局攻撃の一番の防御になります。

合う対処法は、人それぞれ

ここまで3つの方法を書きました。でも、すべてのお局に効く「正解」は、ないんです。

お局はタイプが違えば、効く距離の取り方も変わります。「機嫌を取る」のも、やりすぎれば逆効果。露骨に媚びれば、かえってうとまれます。ほどよい距離は、相手を見て自分で測るしかありませんでした。

大事なのは、自分に合ったストレス解消を見つけること。私の場合は、友達と話すことでした。ここに書いた方法が合わなくても、それはあくまで例の一つです。

それでも気持ちが晴れないなら、部署異動や転職を考えてください。心が病んでしまうのが、いちばん怖いからです。


もう限界かも、と感じたら|辞めることも、ひとつの選択です

お局がきつい時の限界のサイン|まだ大丈夫ともう限界の比較図解

ここまで読んで、「でも私はもう限界かも」と感じている方もいるかもしれません。
限界に行く前に、できることがあります。

私が限界まで行かなかった理由

34年お局を相手にしても、私は体を壊さず、家族に八つ当たりすることもなく、続けてこられました。
理由は3つあります。

  • お局に当たったのは、ある程度経験を積んでからだった(若い頃は標的にされていない)
  • 友達という捌け口があった
  • 「もう仕方ない」と思えるようになっていた

タイミング、捌け口、気持ちの持ち方。
この3つが揃っていたから、限界の手前で踏みとどまれました。

こんなサインが出ていたら、もう限界です

逆に、もし今こんな状態なら、限界のサインが出ています。

  • 眠れない、寝ても疲れが取れない
  • 朝、出勤前に動悸や吐き気がある
  • 家族に八つ当たりしてしまう
  • 休日もお局のことが頭から離れない
  • 「死にたい」と一瞬でも思った

このどれかに当てはまるなら、いったん環境を変えることを、考えてください。

辞めることも、自分を守る選択です

私自身は「お局ごときで辞めるのは、私の辞書にない」と思って、辞めずに働き続けました。
でも、それは私の性格と、たまたま恵まれた環境があっただけの話です。

体や心に症状が出ているなら、それは十分な「辞める理由」です。
辞めることは、自分を守るための、まっとうな選択です。

がんばってきた人ほど、辞めることに罪悪感を持ちます。
でも、自分を守るのは、逃げではないですよ。

辞める前に整理しておきたいことを、別の記事でまとめています。

看護師を辞めたい50代へ|退職前に持っておきたい3つの判断軸

心の優しい人ほど、辞めていきました

長く現場にいて、忘れられない景色があります。

お局の顔色をうかがって、いつもビクビクしていた後輩がいました。とても仕事ができて、心の優しい人でした。
その人は、辞めていきました。

優しい人、まじめな人ほど、お局のような相手をまともに受け止めてしまいます。受け流せないから、すり減っていく。そして、現場を去っていく。

そのとき上にいた人は、部下を守るより、自分の体裁を優先する人でした。守られるべき人が守られないまま、職場を去る。あの景色は、何年経っても胸に残っています。

あなたが今すり減っているのは、優しいから、まじめだから、お局の言葉をまっすぐ受け止めてしまうからです。
でも、受け止めなくていい言葉まで、受け止めなくて大丈夫。限界の手前で、自分を守る行動をしてほしいと思います。

あの後輩のことは、今でも思い出します。
あなたには、一人で抱え込まないでほしいんです。


異動より転職が確実|お局は異動先まで追ってくる

お局対策は異動より転職|部署異動と転職の比較図解

「辞めるのは大袈裟。まずは異動希望を出そう」。
そう考えている方も多いと思います。

でも、34年の経験から言います。異動だけでは、お局から逃げ切れません。

お局は異動先まで追ってくる

「やっと離れられる」と思っても、結局、お局自身が異動してくることがあります。
病床数740床・看護師1000人の総合病院では、異動は何度もあります。
そのたびに「あの人がまた来た」となる。それが現場でした。

しかも、どの病棟にも、お局と呼ばれる人はいます。
1つの病棟から逃げても、別の病棟には別タイプのお局がいる。
それが現実です。

昭和世代と今の若い子の違い

私の世代には、「異動希望でお局を避ける」という発想すら、なかったんです。
昭和の人間なので、そんな選択肢は頭に浮かびませんでした。

最近の若い子は違います。
「あの先輩とは夜勤を組まないでください」と師長に言える時代になりました。
これは良い変化です。

ただ、それでも病院の中で逃げ切れない人がいます。
そういう時、転職という選択肢を持っておくことが、自分を守ることになります。

50代でも、転職はできる

「50代だから今さら無理」。そう思っていませんか。
看護師資格があれば、50代でも転職先はあります。

職場の人間関係は、入ってみないと分かりません。それでも、お局のせいで毎日心を痛めているなら、環境を変えるのは合った選択です。同じ職場でも、異動でも、あの人からは逃げ切れない。でも職場ごと変われば、”今のあの人”とは離れられます。

転職サイトに登録すれば、どんな職場があるか、夜勤や条件で絞り込めるかを教えてくれます。動くかどうかを決めるのは自分。選択肢を持っておくだけでも、気持ちは少し軽くなります。

私自身も、情報を集めるだけのつもりで転職サイトに登録してみた一人です。その体験を別の記事に書きました。登録して話を聞くだけでも、「こういう働き方もあるんだ」と視野が広がります。

ナース専科を50代看護師が使ってみた|電話はしつこい?体験談と本音


お局は変わらない、変えられるのは自分の環境

看護師のお局への対処法まとめ|合わせ方・捌け口・環境

34年、現場でたくさんのお局を見てきました。でも、性格が変わった人は、一人もいませんでした。

変えられるのは、自分の「合わせ方」「捌け口」「環境」だけ。

私がたどり着いたのは、3つのことでした。

  1. 戦わずに合わせる
  2. 外に捌け口を持つ
  3. それでもダメなら、環境を変える

この3つで、34年やってこられました。

人助けの職業のはずなのに、なぜ同じ看護師を傷つけるんだろう。
そんな思いを抱えながらも、私たちは患者さんのために働いています。
だからこそ、まず自分を大事にしてください。

辞めることも考えているなら、この記事も読んでみてください。

看護師を辞めたい50代へ|退職前に持っておきたい3つの判断軸

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この記事を書いた人

総合病院で34年間勤務した元看護師。
無遅刻無欠席で働き続けたが、めまいをきっかけに
夜勤の限界を感じ退職。
同じ悩みを抱える50代看護師に向けて、
転職・お金・働き方をリアルな体験から発信しています。

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