「親の介護に疲れた…」あなただけじゃない|看護師34年×母を看た本音

アイキャッチ:親の介護に疲れた・看護師34年×母を看た本音

親の介護に疲れた。
そんな気持ちを抱えているとき、人は「私だけがこんなに疲れているのかな」と思いがちです。

私は、看護師として34年、たくさんの介護家族と向き合ってきました。
そして今、母を看て2年弱になります。
そんな私でも、夜になると「みんな、どうしてるんだろう」と思う夜が、何度もあります。

この記事は、その「みんなどう?」に対する、私なりの答えです。
体・心・お金・人間関係まで削られる介護の疲れ。
その中で、ふと感じる温もり。
夜、ふとよぎる気持ちを書きました。

夜になると「みんな、どうしてるんだろう」と思う夜が、私も今でもあります。

ここでは「頑張れ」じゃなく、「ここまで本当によくやっていますね」という気持ちで書いていきます。

📌この記事を読むとわかること
・親の介護で疲れる5つの原因と、今夜できる対処法
・「もう無理」と思う夜の自分を責めなくていい理由
・介護中も「親は親」と感じる瞬間がある
・もし限界なら、次に読むべき記事3本

目次

「親の介護に疲れた」みんなはどう過ごしてる?

親の介護に疲れた夜・湯のみを持つ後ろ姿

「親の介護に疲れた」

「みんなも、つらいんですか?」
「みんな、どうやって過ごしているんですか?」
「楽しいことなんて、もうないんでしょうか?」

ひとりで疲れているのがつらいから、せめて同じように疲れている誰かを見て、ほっとしたかった。

私もそうでした。
看護師として34年、家族介護の現場をたくさん見てきた私でも、自分が母を看るようになってから、夜になると同じことを思います。
「みんな、どうしてるんだろう」と。

親の介護で疲れる5つの原因

親の介護で疲れる5つの原因(睡眠・時間・お金・心の余裕・将来不安)

「親の介護に疲れた」と感じる時、削られているものはひとつじゃありません。
体力・時間・神経・人間関係・お金。
いろんなところから、少しずつ同時に削られていきます。

ここでは、5つの原因を整理します。

時間が削られる|24時間気が抜けない

夜中に何度も呼ばれる。
昼間も「次に何かあったら」と緊張が抜けない。
自分の予定が立てられない。
これは介護を経験した人にしか分からないつらさです。

神経が削られる|話が通じない・目を離せない

親が話を聞いてくれない。
同じことを何度も繰り返す。
ちょっと目を離したら出ていってしまう。
身体的な介護より、精神的に消耗する瞬間です。

人間関係が削られる|友達と距離ができていく

休日も外出できない。
友達の誘いを断り続けるうちに、声をかけづらくなる。
話したい人はいても、なかなか会えなくなっていきます。

お金が削られる|将来の不安が消えない

介護にはお金がかかります。
施設・介護用品・通院。場合によっては仕事を辞めるかもしれない。
「自分の老後まで、お金が持つのか」という不安が、ふと頭をよぎる瞬間があります。
将来のお金が続くかという不安は、介護そのものより重くのしかかることがあります。

味方がいなくなる|家族内の温度差

「自分はこんなにやってるのに、他の家族は何もしない」
「親なんだから当たり前」と言われる。
頑張っているのに、責められる。
味方がひとりでもいると、ぐっと楽になります。

いくつも当てはまったかもしれません。これだけのことが重なれば、疲れて当然です。
次の章では、今夜できる小さなことを書きます。

疲れたときの対処法|まず今夜できること

疲れた夜に今夜できる3つのこと

今夜眠れないあなたへ、まずできるのはたった3つです。
今夜は、もっと小さなことから始めましょう。

親が寝た時間に、5分だけ「介護じゃない時間」を作る

お茶を入れる。
スマホで好きな曲を1曲聞く。
今日の自分にだけ、5分間ご褒美をあげる。
たった5分で、明日が少し違って見えます。

「疲れた」と誰かに送るだけでいい

家族に直接話さなくていいです。
LINEで「疲れた」と一言、信頼できる相手に送るだけ。
返事は求めない。
言葉にした、という事実だけで、心が少し軽くなります。

「完璧な介護」を今夜だけやめる

親の食事が冷凍でもいい。
洗濯は明日でいい。
お風呂も明日でいい。
今夜は「ちゃんとしない」を選んでください。
親もあなたも、今日を一日穏やかに過ごせたなら、それで十分です。

明日になっても、もう一度疲れたら、もう一度この章に戻ってきてください。

親の介護をひとりで抱えないために|頼れるサービス3つ

頼れる介護サービス3つ(訪問介護・デイサービス・ショートステイ)

親の介護を、家族だけで抱える時代ではありません。
むしろ「使えるものを使う」のが、長く続けるコツです。

ここでは、3つだけ紹介します。

ケアマネジャー(無料・最初に頼る相手)

まず役所の地域包括支援センターに電話してください。
無料です。匿名でも相談できます。
ケアマネジャーが「あなたの親に合うサービス」を一緒に考えてくれます。
ここを通さないと、介護保険の他のサービスも使えません。

訪問介護(自宅にプロが来てくれる)

ヘルパーさんが自宅に来て、入浴・食事・通院付き添いなどを手伝ってくれます。
週1回からでも頼めます。
「自分だけ休む時間」を作るために、月に数回だけ入れる、という使い方もできます。

ここまでは介護保険を使ったサービスの話です。

介護はお金がかかります。だからまずは、ケアマネジャーに相談して、介護保険でできる範囲を最大限使うのが基本です。

ただ、現実には「ケアマネに連絡したけど、ヘルパーの空きが来週まで埋まっている」「土日や夜間に、急に親が動けなくなった」という、どうにもならない場面もあります。

そんな緊急の応急処置として、関東圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)にお住まいの方なら、ケアマネを通さず最短即日で来てもらえる自費の訪問介護「クラウドケア」を知っておくと、いざという時の保険になります。

※介護保険外なので費用は割高です。あくまで「ケアマネで対応しきれなかった時の最後の手段」として、頭の片隅に置いておく程度で十分です。

介護休業制度(仕事との両立)

親の介護のために、対象家族1人につき、通算で最大93日まで会社を休める制度です(厚労省・育児・介護休業法について)。
介護休業給付金(雇用保険)も出ます。
仕事を辞める前に、まず会社の人事に相談してください。

「使うのは申し訳ない」と感じなくて大丈夫です。
あなたが守られることが、結果として親も守ることになります。

「いつから介護?」明確な境目はない。「そういえば」が積み重なる

いつから介護?境目はない・そういえばの積み重ね

親のちょっとした変化を「歳のせいかも」と感じると思います。

母も、最初は「介護」と呼べる状態じゃありませんでした。
薬の管理を代わりにやる程度なら、まだ「お世話」です。

でも、ある時から少しずつ変わっていきました。

そのとき、家族は「なんとなく」気がついています。
でも、信じたくないんです。
「うちの親に限って」「まだこの程度」「年取ったから」と思いたい。

私もそうでした。
看護師として34年、家族の介護をたくさん見てきた私でさえ、自分の親のこととなると、認めたくありませんでした。
気づかなかったんじゃありません。気づきたくなかったんです。

拒否反応も葛藤も、愛情があるから起きるんです。
冷たい家族なら、こんなふうに迷いません。

そして、その「信じたくない」を抱えたまま、「そういえば」が一つずつ積み重なっていきます。
気づいたら、もう介護になっています。

明確な境目はないんです。

だから、もしうなずきながらここを読んでいるなら、気づかないふりをしてきた自分を、後ろめたく思わなくていいです。

親の介護で戸惑うのは、あなただけじゃない|経験者みんなが通る道

親の介護で戸惑うのはあなただけじゃない・経験者みんなが通る道

看護師として34年、たくさんの家族の介護を見てきました。
でも、母を看るようになって、痛感しています。
親の介護は、経験してみないと本当には分からないものです。

第三者として人の介護を見ているときは、冷静でいられます。
でも自分が当事者になると、冷静さがなくなる。
だから、葛藤も後悔も戸惑いも生まれます。

振り返れば、最初は本当に小さなことでした。
「最近、物覚えが悪いというか、何度も同じことを繰り返している気がする」
そう感じる場面が、少しずつ増えていました。

買い物の途中、後ろからついてくるはずの母が、振り返るといない。
探しに行くと、違うところでうろちょろしている。
「ここじゃないよ」と声をかけると、「そうだったかいね〜」とのんびり返ってくる。

こういう小さなサインは、振り返れば色々ありました。
ただ、当時の私がそれをどう受け止めていたのか、今になってもよく思い出せません。
たぶん、深く考えないようにしていたんだと思います。

本格的に手がかかるようになったのは、それからずっと後のことです。
自宅で母を看て、2年弱になります。

親の介護で戸惑うのは、あなただけじゃないんです。

「もう無理」「消えてほしい」と思う夜がある自分を責めないで

もう無理と思う夜の自分を責めなくていい

「もう無理」
「消えてほしい」

そういう言葉が、夜、頭をよぎる時があると思います。

そして、それを思った自分にショックを受け、「私は冷たい人間なのかもしれない」と落ち込む。
そんな夜を、過ごしたことはないでしょうか。

「もう無理」と思うのは、心が壊れる前の警告です。
心と体が「これ以上は危険」と教えてくれているサインです。

そして「消えてほしい」と思うのは、「親に消えてほしい」のではなく、「この苦しい状況が消えてほしい」という気持ちです。
本当の意味で親の死を願っているわけではないんです。

実際、介護経験者の多くが、夜中にそういう気持ちと向き合っています。
自分だけがおかしいわけじゃありません。

ただ、その気持ちが繰り返し続いているなら、もうひとりで抱えなくていいサインです。

地域包括支援センターに電話してください。
無料で、匿名でも相談できます。
「もうしんどい」のたった一言で、ケアマネさんが動いてくれます。

親の介護はつらくても、親は親

親はつらくても親は親・親子の手

親の介護は、つらいだけじゃありません。
どんな状況になっても、親は親のままです。

介護を続けていると、むなしさや寂しさを感じる瞬間がたくさんあります。
でも、心の奥底では、親はあなたのことをどうにか覚えていようと頑張ってくれています。
助けになりたいと、必死に思ってくれているんです。

私の場合、それを感じるのは、母が優しく微笑んで手をさすってくれる瞬間です。
言葉では言い表せないけど、なんとなく通じるものがあるんです。

それから、母がけなげに何かを手伝おうとしてくれる時。
覚えている記憶の中で、どうにかしようとしてくれる姿に、
切なさと愛しさが同時に込み上げてきます。

親はあなたを忘れたわけじゃありません。
覚えていようと、頑張ってくれているんです。
それを信じていいんです。

そしてもう一つ、これだけは伝えたいことがあります。
もし親とまだ会話が成立するうちなら、今のうちに「何が幸せ?」「何が楽しい?」と聞いておいてください。

これは、母を看ている今、一番強く感じていることです。

まとめ

親が元気なうちに何が幸せかを聞いておく・縁側の親子

あなたの疲れは、当然です。
24時間気が抜けず、神経が削られ、お金や人間関係まで削られる。
これだけのことが重なって、疲れないわけがありません。

親と過ごすなかで「ほっこりする瞬間」がほんの少しでもあるなら、
また明日への力になります。

でも、それも全くなくなった、もしくは体が限界で「もう無理」と感じているなら、
ひとりで抱えないで、こちらの記事を参考にしてみてください。

「もう辞めたい」と思っているなら:親の介護をやめたい
仕事との両立で限界を感じているなら:介護休暇の取り方
介護のために仕事を辞めるか迷っているなら:介護離職で後悔する人の共通点

そしてもし親とまだ会話が成立するうちなら、今のうちに「何が幸せ?」と聞いておいてください。

最後にもう一度だけ。

あなたの疲れは、当然です。今夜は少しでも、肩の力を抜いてくださいね。

今夜、少しでも肩の力が抜けますように。

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この記事を書いた人

総合病院で34年間勤務した元看護師。
無遅刻無欠席で働き続けたが、めまいをきっかけに
夜勤の限界を感じ退職。
同じ悩みを抱える50代看護師に向けて、
転職・お金・働き方をリアルな体験から発信しています。

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